昭和の鉄道員ブログ

アクセスカウンタ

zoom RSS 【772】 駅…

<<   作成日時 : 2017/02/23 09:10   >>

ナイス ブログ気持玉 24 / トラックバック 0 / コメント 14

鉄道を利用するにあたっては、必ず駅を利用する。駅は旅の出発の地であり終わりの地でもあるが、通勤や小旅行で駅に見送られる者は、その先に乗るべき列車のほうに思いが行き、逆に帰路に列車から降りた者は家路を急ぎ、駅はただの通過点となる。
画像

旧国鉄の車掌をしていた私にしても、駅員として乗客が旅立っていくのを見ているのは口惜しいし、日々列車で移動している方がいいと思っていたから、駅に対しては罪深い無礼者だ。さらに趣味の面でも車両や列車の写真を撮ったり乗ったりはしても、駅に思いを寄せることはさほどなかった。駅はその街の玄関口であり、趣向を凝らした建築様式が用いられたり、簡素ながらも花壇や生け花に彩られていたりして、旅人の心を和ませてくれていたはずなのに申し訳ない思いさえする。
画像

駅はただ列車に乗り降りする場所ではない。人によっては人生の重要な分岐点として生涯忘れられない場所でもあるのは、駅を舞台にした歌がたくさん作られてきたことでもわかる。
画像

以前“【629】なごり雪の「汽車」”と“【631】なごり雪の駅「津久見」”で記事にした「なごり雪」からは、列車が発車しようとするホームでの情景が伝わってくる。
(歌詩はこちら←「Uta-Net」のサイトに遷移します。)

ほかにも、ちあきなおみが歌う「喝采」では、「止めるあなたを駅に残して、動き始めた汽車に一人飛び乗った歌手志望の女」が主人公となっていて、それを止めた「あなた」と今生の別れになった場所が駅になった。
歌詩はこちら←(「歌詞タイム」のサイトに遷移します。)

さだまさしが歌う「驛舎(えき)」では、「故郷なまりのアナウンスがホームを包みこむ駅で、都会で夢破れて故郷に帰ってきた女と、彼女を出迎える男」が描かれる。
歌詩はこちら←(「歌詞タイム」のサイトに遷移します。)

これらの楽曲を聴くにつけ、それぞれの駅での情景が映画のワンシーンのように脳裏に浮かぶ。

「喝采」の「動き始めた汽車に飛び乗る」シーンは若い人や都会の駅しか知らない方には想像がつかないかもしれないが、旧形客車の時代にはあった情景だし、「驛舎」のなかの「君」は、「列車のタラップを降りてくる」けれど、これも旧形客車と田舎の駅によくあった低いプラットホームの組み合わせだと思う。高校生のころ九州に行ってホームの高さが低いのに驚いたが、作詩者のさださんは長崎出身の方であるから、これは長崎駅の情景で、列車は東京から丸1日かけて終着駅に着いた急行雲仙号であろう。

かつて日常的に接してきた駅や、思い出深い駅に再訪しても、駅舎の建替えや無人化、あるいは鉄道そのものの廃止によって自分が過去に接した面影の多くは失われてしまったところが多い。
画像
まるで別の顔で迎えられると、列車や車両の写真ばかり撮影して、駅そのものにカメラを向けてこなかったことを後悔するところとなる。
画像
ただ、15年ほど前からコンデジを持つようになって、フィルム残数を気にせずにシャッターを押せるようになった。このおかげで、出かけたときの記録という意味で、駅や駅名標を撮影するようになったので、乗り鉄で折り返したり、乗り換えたりした駅の駅名標や駅舎が写り込んだ画像も、知らず知らずのうちに増えてきた。
画像
二度と来ることはないだろう駅や、いつもの馴染みの駅、初めて来たはずなのに、いつか来たことがあるように懐かしさを感じるような駅があると思えば、新しいばかりで無味乾燥な駅など、駅それぞれに個性があって、いくら利用者が多い駅であっても人間味が感じられない駅はあるし、田舎の無人駅であっても、人の手によってきれいに整備が行き届いていたりすることもある。駅も人と同じように十駅十色なのだなあと思う。

●次週以降の毎木曜日、しばらくの間は、主に15年くらいの間に撮影した駅に関連する画像と思い出で構成していく予定にします。


テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 24
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
かわいい かわいい かわいい かわいい かわいい
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
面白い

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
宮脇氏は能登半島の延々とした帰りのことを巻物を戻すようにと表現なさっていたが、自家用車で長距離運転の帰路は辛いものがあったので、地元で美味しい夕食のお店や、そうでなくともコンビニの新商品の氷菓子を買う楽しみを残しておいて復路の安全運転を確保していたことを思い出す。
乗り鉄は好きなことを堪能した帰りであったから、地元に帰ってきても疲労感より充実感しか味わわなかったのは心身に良いことをしていたのではと自己満足している次第だ。
反面、出張帰りとなると、新幹線の車窓で地元の景色を見るほど疲れが出てくるものはなく、さらに自宅まで帰るのが億劫になるほどあったので、同行者が居れば駅周辺で飲んでから、一人ならコンビニで立ち読み、お酒を買ったりしていったん普段のリズムに戻してから自宅玄関の鍵を開けて日常に復帰させている。
以前、コメントで書いたような気もするが、中学生のときに片道補充券をデザインした年賀状を書いていると、それをのぞき見した母親から、祝いなのに黒い縁取りの切符はアカン、喝采で「黒い縁取りがありました」て歌ってはるやろ、と指摘されたのを思い出した。
NAO
2017/02/23 12:42
NAO様 こんにちは。
能登線のような長い枝線の乗り鉄旅では、帰路に元の線路をひたすら戻るしかないですね。私の場合は折返しに都合がよい列車がなかった結果でもありますが、蛸島から珠洲の駅まで2駅歩いて珠洲の街で地酒を仕入れたり、乗り鉄以外のしたいことをしました。また、帰路は1日1往復だけだった和倉温泉始発の「しらさぎ」を使ったり、往路が夜間だった区間を日中に乗るなどして、ただの往復でも変化を持たせたつもりです。
私の出張帰りの心持ちは、ちょっと違うようです。帰りの新幹線に乗った瞬間には仕事を終えた達成感(うまくいってないときは挫折感の場合もありましたが…)とともに、すでに疲労感もあって、早速缶ビールタイム。その時の私は「普通の人モード」で、ひたすら早く家に帰りたいと思いました。それに対して乗り鉄の旅では地元の車窓を見ると、旅も終わったか…このまま家に帰りたくない。もっと乗っていたいと思います。
「黒い縁取り」と「切符」で私が連想するのは、武豊線の一番列車に乗って由布院のお葬式に行くオバチャンです。
【384】特定車掌〜武豊線篇
http://shinano7gou.at.webry.info/201306/article_5.html
しなの7号
2017/02/24 13:19
しなの7号様、こんにちは。
『駅』も旅の雰囲気を盛り上げる重要な要素の1つです。ホームに降り、駅舎をくぐり抜け目的地を目指す…通勤時は無意識に遣り過ごす行為ですが、旅行時は駅の雰囲気を味わいますね。だもんで乗り継ぎ時間が短いと心配になったりもします。
昨年、長良川鉄道の郡上大和駅を利用した際、越美南線時代のまま(と思われる)駅舎、ホームの雰囲気に酔いしれて先を急ぐ事なく暫くの間ボーッとしていました。

ローカル線利用時よくある事ですが、昔の状態を維持している駅を移動中の車内から発見『うわー途中下車したいなぁ』なんて想いが産まれる、こんな偶然の駅との出逢いも旅の愉しみの1つですね。
はやたま速玉早玉
2017/02/24 14:41
はやたま速玉早玉様 こんにちは。
近年、JRの駅よりも国鉄転換第三セクター鉄道の駅に、国鉄時代の面影をよく残していて降りてみたくなる駅が圧倒的に多いと感じます。さらにJR線ではそういう小駅があっても特急で通過してしまって、見過ごしてしまうということもあったのだとも思います。
それにフラッと降りたら何時間も次の列車がなかったりしそうですし、駅巡りの旅もなかなか容易ではなさそうですね。
今、この時間にNHK=BSプレミアムで、「六角精児の呑み鉄本線・日本旅 のと鉄道を呑む!」の再放送中。録画して夜見ます♪
しなの7号
2017/02/24 15:32
しなの7号様こんばんは。
しまった!呑み鉄完全にノーマーク、見過ごしました(´д`|||)
最悪〜
はぁ…
はやたま速玉早玉
2017/02/24 22:35
しなの7号様、こんにちは。
私の世代で「駅」の歌といえば、竹内まりやさんの駅ですね。元彼の姿を偶然駅で見かけて、同じ列車の違う車両に乗っていても元彼の横顔を見ていたら泣けてきたという女心の歌詞ですが、駅って多種多彩な人種の集まる場所だと思います。大都市のターミナル駅は、他人同士がただすれ違うだけ。ローカル線の小駅はいつもの時間に決まった顔ぶれ。あと、田舎の夜間は無人になる駅は不良少年(ヤンキー)の溜まり場といったとこでしょうか。

しなの7号様、とうとう地元烏山線のキハ40がこの3月をもって引退します。これで国鉄車両を家の近くで見ることはほぼ不可能になってしまいました。宇都宮・宝積寺間の東北本線内で変速から 直結に切り替え95kmの最高速度で鬼怒川橋梁を走行する国鉄型気動車にはもう乗ることが出来なくなります。(惜)

2017/02/25 10:08
はやたま速玉早玉様 
「六角精児の呑み鉄本線・日本旅」についてNHKオフィシャルサイトからコピペ ↓
 新作放送「冬・津軽鉄道、弘南鉄道を呑む!」
 放送:2018年3月5日(日) 22:50〜23:49 BSプレミアム
 真冬の津軽半島を呑み鉄。
 どうぞお楽しみに。
しなの7号
2017/02/25 18:51
天様 こんにちは。
竹内まりやさんの「駅」も私の好きな歌の一つです。というか竹内まりやさんの歌は好きで、音楽CDのほとんどを処分したなかで、彼女のCDだけは残しています。駅は不特定多数の人々が集まる場所ですから、この楽曲のように思いがけない人に出くわす舞台になりますね。ちなみに、来週アップしようとしている記事は、乗務中に面識のある人に駅で出会ってしまった内容です。
JRになってから、古い駅舎が取り壊された後、実に簡素な建物になったり、地元自治体が建設し管理する駅舎に変わったりする例が多くなりましたね。
烏山線でもキハ40が引退ですか。烏山線に乗ったのは14年も前です。ロングシ−トの車内にビックリでした。583系の引退も報じられているようで、国鉄形車両はますます少数派になりますね。
しなの7号
2017/02/25 18:53
しなの7号様、こんばんは。
呑み鉄情報頂き、ありがとうございます。
毎週日曜は仕事が長引き帰宅が遅くなります。だもんで録画して後日見る事になるでしょう。
のと鉄道編、美味しい酒、珍味は登場しましたか?
はやたま速玉早玉
2017/02/25 20:31
はやたま速玉早玉様 こんばんは。
珍味:牡蠣とか、くちこ(ナマコの卵巣)とかありました。
酒 :珠洲市の宗玄。廃線跡のトンネルを貯蔵庫にしているのだそうです(゚д゚)!
しなの7号
2017/02/25 21:12
しなの7号様、こんばんは。
公式サイト見ました。隧道蔵という銘柄ですね。トンネル内は日本酒の熟成に最適な温度を年中維持しているそうです。
のと鉄道廃線跡の有効活用、かつて国鉄時代はキハ58等が往き来していた…まさにその場所で日本酒が造られる、ロマンを感じます。訪問したい土地がまた1つ増えました。
はやたま速玉早玉
2017/02/26 22:30
はやたま速玉早玉様 おはようございます。
宗玄の公式サイト、今初めて見ました(^^;)
私が「のと鉄道」を訪問した時は、このトンネルの中を通ったはずですので、当然「隧道蔵」というお酒はありませんでしたが、宗玄・見附島のほか他社製品とともに、能登の酒を数本珠洲市内の酒屋さんで買って送ってもらいました。ラベルは全部保存してあります(^^)
六角さんは終点蛸島まで路線バスで廃線跡を訪ね、この酒蔵とトンネルに立ち寄っておられました。
しなの7号
2017/02/27 08:16
お疲れ様です。主要駅もいいですがローカル線や第三セクターの駅のホームに手入れの行き届いた花壇がありかわいい花が咲いているのを見ると癒やされます。最寄り駅は単式ホームがひとつあるだけの無人駅ですがそばに支援学校の生徒さんが作った花が咲いていて夜勤明けで帰り着くと一気に緊張から解放されます。ちなみに1日10数時間列車に乗っても疲れた事はありません。
鉄子おばさん
2017/03/28 10:20
鉄子おばさん様 こんにちは。
ローカル線によくある花壇。多くは地元の方々のボランティア活動というケースが多いように思いますが、ほんとうによく手入れされていて、特急で行き過ぎてしまうのは申し訳ないほどです。国鉄時代には小さな駅にも駅員がいて、駅頭やホームに庭園があったものです。本来の仕事以外にそんな庭や花壇の手入れをする余裕があっていい時代だったわけですが、不便で貧しい時代でもありました。しかし今は別に次元での貧しさを感じます。1日10数時間、乗り換えもなく走る長距離列車もありませんから、1時間ごとに乗り継ぎの連続で落ち着かず疲れてしまいますわ(;´Д`)
しなの7号
2017/03/28 13:52

コメントする help

ニックネーム
本 文
【772】 駅… 昭和の鉄道員ブログ/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる