私はこの切符が発売される時期になると、職場のオッサン2人とともに3人で、車中で酒を飲みながら、お城、温泉、酒蔵を巡る日帰り旅に出ていました。前回は夏で、その様子は「清酒ん18きっぷの旅2010.8.28:松本」でご紹介いたしました。
回を重ねてくると「青春18きっぷで日帰り」という制約の中では、どうしても行程が似たものになってきます。今回からは使用する切符は青春18きっぷに限定せず、交通費+食事代+施設入場料が5000円程度(土産・酒代は除外)で収まるような格安貧乏旅行というコンセプトで「50代5000円でGO!」という企画?で継続することに変更しました。
で、今回は長良川鉄道を利用して、郡上八幡を目指しました。
まずは、中央西線の多治見から太多線で美濃太田へ7時55分着。
ここまでは、JRなので、ふつうの乗車券での乗車です。ここからは8時12分発の第三セクター鉄道の長良川鉄道に乗り換えますが、この鉄道には土休日限定2000円で1日全線乗り放題のフリーきっぷがあるのです。この切符で郡上八幡まで往復するだけで、本来の美濃太田~郡上八幡の運賃より割安になるのですからお得なのです。
★2017年6月4日加筆
土休日限定2000円で1日全線乗り放題のフリーきっぷは廃止されたので現在は購入できません。
そこで長良川鉄道の美濃太田駅ホームでフリーきっぷを買うために出札窓口へ行くと、シャッターが下りていて「営業時間は9時から17時35分まで」の貼紙があり、自動券売機でしか乗車券が買えません。そして券売機には「一日フリーきっぷは窓口で発売します」の貼紙も(^_^;)
これではフリー切符を買うことができないわけですが、運転士氏に言っておけば、途中駅の「関」で駅員さんが車内まで出張販売に来てくれるということになっていました。
清流長良川を眺めつつ美濃太田から約1時間20分の所要時間で郡上八幡駅に到着です。
この駅に降り立つのは平成4年以来18年ぶりということになりますが、今でも国鉄時代から受け継がれた昔ながらの古い施設がそのまま残り、旧国鉄駅の様子が、わざとらしくなく自然に残った感じのとてもよい雰囲気の駅でした。駅の事務室の一角が「ふるさとの鉄道館」として無料公開されていて、国鉄時代の鉄道関係の資料や備品類を見ることができますが、約10分の乗り継ぎで、約1キロメートル離れた市街地への連絡用に運行されている「まめバス」で郡上八幡城の登城口まで行くのでゆっくりはしていられません。
「まめバス」です。赤ルートと青ルートがあって、経由地が違います。車体の色で区別できます。
市街中心部の「城下町プラザ」でバスを降り山道を登ること約15分で郡上八幡城に着きます。
お城からは街並山並が一望できます。
街へ降りて、名水「宗祇水」へ行きます。
このすぐ右側のお隣が造り酒屋さん「平野本店」の酒造工場の一角で、本町の通りに面したところにお店があり、そこで「積翠」というお酒を買いました。
買ったのは、にごり原酒と本醸造酒の2つです。「積翠城」とは「郡上八幡城」の別名です。
五平餅を食べながら街を少しぶらつき、蕎麦屋で昼食後、あわただしく、再び「まめバス」で郡上八幡駅に戻りまして、次の目的地「平野醸造」さんの酒蔵へ行くべく徳永駅まで長良川鉄道に乗るのです。バスからの連絡もいいので、またまた「ふるさとの鉄道館」をゆっくり見る時間もないわけですが、出札窓口でお買いもの。フリーきっぷを持っていますから、買うのは切符ではありません。これです^^;
先月から発売されたという「長鉄線べい」という名のせんべいです。最近は鉄道会社がこうした鉄道ネタの食品や記念品を販売することがよくあるようですが、この鉄道のナガラ503を忠実に表現されていて、なかなかマニアックだと思います。
さて乗車する列車は、まさにこのせんべいにデザインされているナガラ503。これが期間限定の「クリスマストレイン」として運行されているのです。
車内のようすはこんな感じ。
車内ではサンタさんが「長鉄線べい」を宣伝しています。
約10分で徳永駅に着きます。この駅から5分くらい歩いたところに、清酒「母情」の蔵元である平野醸造さんがあります。さきほど訪れた宗祇水そばの平野本店さんとは別会社です。
こちらは名水「長刀清水(なぎなたしみず)」を敷地内に引き込んで酒造りをされています。玄関脇にはその名水の池があり、なんとイワナが泳いでいました。
折しもマイクロバスで来た団体客と鉢合わせになりましたが、団体さんは15分ほどで引き上げ、そのあと女将さんがいろんな種類のお酒を試飲させてくれました。
温度管理も機械に頼らず人の手で、杜氏さんはじめ蔵人の皆さんの感覚によって酒を生き物として大切に育てておられるお話を聞き、大吟醸原酒もいただきました。これはすばらしい「作品」でしたが、懐具合もあって、ここでは、「白にごり」と「生貯蔵酒」を購入しました。
この日は12月とはいえ、風もなく穏やかな日で、暖かい徳永駅のホームのベンチで3人で試飲会?が始まりました。
さて、この後は「みなみ子宝温泉駅」の「子宝の湯」へ行って本日の行程を終わることになります。
14時37分 乗った列車は、さきほどの折り返し、「クリスマストレイン」ナガラ503でした。
乗車時間40分ほどで、みなみ子宝温泉駅です。
駅が温泉そのもので、長良川鉄道で訪問すると、この駅で下車するときには降車証明書を運転士さんからもらいます。この証明書で通常500円のところを入湯税50円を支払うだけで入浴できるという長良川鉄道利用者だけの特典付きなのです。
★2017年6月4日加筆
その後長良川鉄道利用者の入湯料は、200円(入湯税込)に改訂されました。
露天風呂もあります。畳の広間と軽食スペースもあって乗り鉄時の休息スペースにも使えます。
↑こちらは玄関ですが、ホームから直接入れる出入口もあって、その上にはこんな信号機がありました。列車の到着時間の目安を教えてくれるのです。↓
こんなことで、全行程終了。
帰りの列車がやってきましたので、見ると2両編成です。先頭は団体客が乗っていて「貸切」の表示。簡易お座敷車ナガラ502でした。終点美濃太田に到着後、その貸切車両の車内の様子を見たらこんな感じでした。
ところでこの団体さん、見たことのある顔ぶれ…平野醸造さんで出くわした団体さんだったのでした。
長良川鉄道がお座敷車と組み合わせて募集した日帰りツアーだったんですね。
切符の車内への出張販売、クリスマストレイン、日帰りツアー、みんな手作り感あふれる長良川鉄道。この日も乗客は少なかったですが、頑張ってほしいと思います。また近日中にも再訪したいと思っています。
今回の交通費+食事代+施設入場料=4,640円<5,000円(差額は次回に持ち越し)
★2017年6月4日加筆
現在はフリーきっぷ事情が異なりますから、お出かけの際は長良川鉄道のオフィシャルサイトなどでご確認ください。
※長良川鉄道に関しては、いつも拙ブログにコメントをくださるhmdさんのブログで「美濃三鉄めぐりの旅(長良川鉄道編)初回ページ」に、歴史や沿線の街のみどころまで詳しく紹介されていますのでご一読をお勧めします。
この記事へのコメント
アルヌー
「清酒ん18きっぷの旅」から「5!5!GO!」の旅に変わったんですね~(^o^)
hmdさんのブログで長良川鉄道や沿線の街並みを知ってから、僕の憧れの地になっている郡上八幡に行かれたんですね。
いいな~(^o^)
郡上八幡の街並みは、本当に素晴らしいですねー。
クリスマストレインの手作り感もたまりません(^_^;) フリー切符の日付印も、懐かしい書体ですよね。
いつになるか、まだ判りませんが、長良川鉄道に僕も行ってみたいです。
「長鉄線べい」ネーミングもいいですね。
これだけの旅で、お土産を除いて5,000円でお釣りが来るなんて凄いです。
あ~っ!行きたいな~
(^_^;)
しなの7号
いつも、読んでくださってありがとうございます。
今日はあいにくの天候でしたが、昨日はいい天気で、雨男がいるこのメンバーでは非常に珍しいことなんですよ。
手作りの鉄道で、JRにはない良さが伝わってきますが、もとは国鉄。駅もローカルながらそれなりに歴史のあるしっかりとしたものが残っていました。せんべいもおいしかったです(^o^)丿
hmd
多忙につき、中々コメントが出来ずにすみませんです m_ _m
銘酒めぐりの旅で郡上八幡に行かれたのですね (^_^)/
あの駅温泉も帰りに寄られたとのことで
冬の郡上八幡も良いですね~空が青々澄んでいて綺麗です。
自分が行った時は春の一番混んでいる時期でしたので、この位静かな方がゆっくり出来ると思いました。
クリスマストレインやマニアック度の高い長鉄線べい等、冬の観光閑散期の長良川鉄道も頑張っている様ですね(笑)
銘酒、観光、温泉と楽しんだご様子が良く判りました (^_^)/
また、当方の拙ブログを紹介して頂き、本当にありがとうございます m_ _m
トラックバックもさせて頂きました。当方も今開放しましたので送信をお願い致します。
しなの7号
ご多忙中、コメントいただき恐縮です。
また、トラックバックの件では、こちらの不手際がありましたこと、お詫び申し上げますm(__)m
念願かなって、郡上八幡やっと行く機会ができました(^o^)丿
なにせ、いろいろと目的が多く、しかも日帰りというスケジュール上、街並みをゆっくり歩き回ることができませんでしたので、再訪する予定です。シーズンオフで閑散としているかと思った郡上八幡でしたが、観光バスの団体さんもあって、活気があったのは意外なくらいでしたが、長良川鉄道で来る客は目立たず、駅から市街地までの「まめバス」は往路の客は我々以外には1人、帰路は皆無でした(-_-;)
増収努力もされているようですし、もっと鉄道を見直しましょう!!
ヒデヨシ
これまた最近の記事からのリンクです
超亀レスでご迷惑かもしれませんがありがたいリンクです
私も郡上八幡は2回ほど行きました
宗祇水も飲みましたし
郡上八幡城も登城しました
再建後80年以上経っているそうで
当時国宝だった大垣城天守を模して造られたいわゆる模擬天守ですが木造ということで味わいがあります
ただ作りは民家作りで伝統的な城郭建築に依ってないのでハリボテ臭はします
とは言えかなりの年月で周囲に溶け込んでいるのは見事です
郡上八幡と言えば名産お土産で
肉桂玉と言うのがあります
なんじゃそれ?
読めませんでした
要するにニッケ=薄荷ですね
私は日本酒は自分一人ではもて余すだろうし買うようなことはないと思いますが
帰りの列車の中とかなら呑みたいかな
以前ムツゴロウの甘露煮を買ったときはどうしても旨い日本酒が欲しかったです
しなの7号
私は城に関しては、リニア鉄道館に来るフツーの人と同じで、本来の見どころを見てませんね・・・・酔ってるし(^_^;)
肉桂玉…自分は岐阜県で育ちました。子どものころから菓子屋には「ニッキ飴」があって馴染んでいました。
ムツゴロウの甘露煮? 地酒は買っても買う勇気がありません(^○^)