【972】 国鉄時代の観光案内車内放送:「しなの」(4-4)

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(画像は国鉄時代の松本駅ではありません)

先週に引き続いて、国鉄時代に録音した「しなの号」の車内放送の解説や補足などを書いておくことにします。音声は、車内放送部分だけを編集してアップしていますので、車内録音ノーカット版ではありません。収録した日と列車は前回と同じで、続編となっています。


録音日:1986年10月26日

列車:中央西線・篠ノ井線「しなの7号」

運転区間:名古屋・長野

今回の収録区間:松本発車~長野到着放送

収録時間:約11分20秒


◆松本発車時の放送~北アルプス~奈良井川と梓川の合流点

松本を出ると松本城が見えましたが、たくさんの建物に遮られ、よほど注意していないとわからないためか、放送では触れられていません。今では市街地の建物が増えただけでなく、高さのある建物も増えましたので、車窓からはほとんど見えないと言ってもいいように思います。その反対側の車窓からは北アルプス連峰が見え、奈良井川と梓川が合流するあたりから見た車窓は個人的にも好きなところです。しかし朝方は天気が良くても「しなの7号」が通過するお昼ごろになると山頂付近が雲に覆われることが多いです。
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◆冠着トンネル~姨捨の展望(2分20秒付近~)

国鉄の三大車窓の一つと言われた姨捨の展望は、しなの号の車窓では寝覚ノ床と並ぶ見どころでした。
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塩尻駅で進行方向が変わっていたころは、名古屋発車時点で進行左側窓側の座席を確保しておくと、寝覚ノ床と姨捨の展望の両方を楽しめましたが、今ではそうはいかなくなりましたので、その気があれば自由席なら名古屋で進行左に席を取り、乗客がいちばん入れ替わる松本停車中に席を右に移すのがよいかと思います。

ただし、松本を出ると、塩尻で交代したJR東日本の車掌がJR東海の車掌から引き継いだ座席表をチェックしながら車内巡回をされますので、松本駅から乗車した乗客だと思われてしまいます。そのため席を移すと、かなりの確率で2度目の「乗車券拝見」を求められることになりますので、それまで座っていた席番を覚えておいて「〇番から移動しました」の要領でご申告ください。

この区間では、逆の上り列車では車掌は車内改札に忙しいので、晴れ渡った絶景の日であっても、姨捨の車窓案内放送ができないことがあります。そのため、車窓案内をやらないことも多かったですが、私が昨年利用した上りしなの号では、篠ノ井駅を発車した時点で、「あと〇分ほどすると姨捨を通過します。」と事前に前置きをしてから車窓案内をしておき、そのあと車掌氏は車内改札に専念されていました。
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当時は姨捨には主要道路がなかったので、鉄道ならではのビュースポットだったのですが、今ではさらに上のほうに長野自動車道が開通して姨捨サービスエリアがあるので、自動車からでも姨捨の展望が楽しめます。
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 放送では触れていませんが、冠着トンネルから篠ノ井駅の一つ手前の稲荷山まで十数㎞に渡って急な下り勾配が連続していますので、この逆の上り列車の場合は、蒸機時代に難所として知られました。今どきの電車列車はそういうことがウソのように軽快に登ってゆきますが、この勾配区間の途中に羽尾信号場・姨捨駅・桑ノ原信号場と3つのスイッチバック式停車場が連続していました。ここのスイッチバックはジグザグに斜面を登る線路配置ではないので、停車する列車は待避線に入りスイッチバックをしますが、通過列車はスイッチバックをしませんので、スイッチバックを体験するには姨捨駅に停車する普通列車か、信号場で行違い待ちをする列車に乗る必要があります。
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上は現在の桑ノ原信号場の分岐器部分で、待避線と本線の高低差もわかります。左上と右下が待避線で、通過列車は左下⇔右上の本線を直進しますから、「しなの号」は知らないうちにスイッチバック式停車場を通過してしまいますが、車窓を注意して見ていれば、水平に敷設された上下待避線の高低差を両側の車窓から見ることができ、本線がかなりの急勾配になっていることを知ることができます。
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上は、羽尾信号場です。列車が写っている線路が上り勾配になっている本線で、その左側の線路が水平になっている待避線です。画面左手前のところに分岐器が見え、画面には写っていない手前側のほうに左右関係が逆になった本線、右に待避線が分かれます。この羽尾信号場だけが2009年(平成21年)に廃止されていますので、今はありませんが、残る2つのスイッチバックは現在も存在します。下の画像は桑ノ原信号場を通過するしなの号です。
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◆篠ノ井・長野の乗換え案内放送(6分25秒付近~)

当時はもちろん北陸新幹線がありませんでした。信越本線には189系電車特急「あさま」など特急が運転され、信越本線上り高崎・上野方面へは篠ノ井が乗換駅でした。

(7分55秒付近~)に国鉄の電車特急・電車急行でおなじみの鉄道唱歌のオルゴールが流れ、犀川について少し触れた後、終点長野駅からの乗換え案内放送が始まります。
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国鉄時代の長野駅。銅葺屋根の仏閣型駅舎でした。
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4回に分けて「しなの」の車内放送について書きました。現在とは状況が異なりますが、平成の時代に都市部は大きく変わったとは言っても、まだまだ木曽の風土は変わることなく旅人の心を癒してくれます。鉄道だけでなく自動車でも幾度となく行き来したところですが、季節や天候によって様々な表情を演出してくれる信州は大好きで、国鉄退職後も毎年善光寺を訪れ、行き帰りの車窓を楽しんでいます。


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