【976】 国鉄時代の観光案内車内放送:「ひだ」(後篇)

前篇からの続きで、国鉄時代の高山本線の特急ひだ号の車内放送です。


・録音日:1985年12月23日

・列車:東海道本線・高山本線「ひだ3号」

・運転区間:名古屋・高山

・今回の収録区間:飛騨金山~高山

・収録時間:約12分05秒


この間には分岐する鉄道はなく、途中の停車駅は下呂だけですから、沿線の観光案内放送が中心になります。



◆中山七里(飛騨金山~)

 このあたりの車窓はすばらしいですが、鉄道写真にも適していたので、よく撮影に行きました。

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◆下呂到着

録音に付けた画像(下の画像)は、下呂発車後の風景ですので、少し場面は前後します。
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ずっと深い谷間を走ってきて下呂に近づくと、突然変異のように鉄筋コンクリートの温泉旅館を中心とする街が現れ、この急な車窓の変化も面白く感じます。



◆禅昌寺(禅昌寺駅通過前)

禅昌寺は駅名にもなっています。このあたりは今も変わらず、列車から山門や鐘楼を見ることができます。
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◆宮峠と野麦峠(久々野発車後)

特に冬場には、飛騨小坂のあたりで天候が急変することがよくあります。にわかに曇って雪が舞ってきたり、そうでなくとも積雪が目立つようになります。地形が険しくなり、撮り鉄の心をくすぐるところなので、ここでも録音に付けた久々野発車時の映像には、かみ合いませんが、あえて久々野より手前で撮影した画像を付けていますので、ご了承ください。
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録音のほうは禅昌寺から一気に久々野を発車した時点に飛びます。宮峠の勾配に挑むエンジン音も聞き取れます。そのあと、録音は宮トンネルを出た場面に続きますが、打って変わってエンジン音が消えて軽いジョイント音が聞こえ、下り勾配にかかったことが伝わってきます。宮峠を貫く宮トンネルは高山本線で一番高い場所になりますので、気動車列車はここを境に力行区間と惰行区間が入れ替わることになります。

余談であり、以前に書いたことの繰り返しになりますが、高山から先の富山方面まで直通する普通急行列車の場合は、宮トンネルから先、富山平野へ出るまで基本的に下り勾配が連続します。自動車の暖房と同じ原理でエンジンの冷却水を熱源としている温水式暖房を採用している急行用キハ58系の場合、上り勾配でエンジンが力行しているあいだはエンジンの水温が上昇しているので車内は暖まりますが、宮峠を過ぎてアイドリング状態が長時間続くと、水温が下がってしまうのです。おまけに高山ではかなりの乗客が下車して、車内が閑散となったころに車内温度が急に下がってきます。そして岐阜・富山県境の豪雪地帯へ列車が分け入るころには車内がとても冷え込んでしまい、そうなってから寒いなと思って暖房の温水管のバルブを開けても、エンジンの水温自体がもう下がっていて車内温度を上げることが難しく、宮峠までの上り勾配区間で暑いぐらいに車内温度を上げておく必要があるというのは先輩から聞かされたことです。しかしこのキハ80系特急「ひだ」は電源用エンジンに直結した発電機で発電した電気を用いる電気暖房方式でしたから、何の問題もありませんでした。


◆水無神社・臥龍桜(飛騨一ノ宮駅停車中)

宮トンネルを出ると、列車は270度くらい時計回りに回り込んで飛騨一ノ宮駅へ一気に下っていきますので、その車窓から水無神社の森や飛騨一ノ宮駅周辺を右側車窓から見下ろすことができます。

録音では反対列車との行き違うための運転停車中に、水無神社と臥龍桜について放送が流されます。
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◆高山市街地の見どころなど(高山到着前)

飛騨一之宮を出ると、次駅がこの列車の終点高山です。

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現在の「ワイドビューひだ」ですと名古屋から2時間半かからない列車もありますから、この国鉄時代からさらに速くなったものですが、これだけの険しい道のりの先にある高山だからこそ、古くからの独特の文化が今に残る街として訪れる人々が絶えない観光地になったのでしょう。
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今でも高山本線の特急列車に占める観光客の割合は多いように思います。飛騨路への旅の行き帰り、車内で居眠りするにはもったいないと私は思っています。もっとも今は普通列車でも高速で走っていますから、見どころを一気に通過していってしまいますので、列車からの車窓を眺めることを目的として急がない旅を求めない者には残念です。(が、そんな思いの人はごく少数でしょう・・・)








この記事へのコメント

  • やくも3号(居眠り鉄)

    しなの7号様 こんにちは。
    車掌さんのガイドもさることながら、しなの7号様のこのページ自体がきれいな画像を伴って、いい観光案内になっています!
    ひだ号は土岐市駅の展示にお邪魔した時に京都ー美濃太田間を利用しただけですので、ちょっとその先にも足を延ばしてみたくなりました。

    私も通勤型電車で子供座りをしてでも景色を見る派なんですが、おとといやくも号に乗ったときに、某近隣国からのお客さんがあまりにもうるさくて、ゆっくり景色がみておれんわ!とグリーン車に引っ越しましたが、座り心地の良さに結局全区間寝てしまいました・・・
    2019年04月15日 13:54
  • ヒデヨシ

    しなの7号様こんばんは
    飛騨一ノ宮から久々野に向かう列車
    この大回りが楽しいです
    トンネルに入る前に山裾を伝い高度を取るのですが
    航空写真の様にそれまでは平野
    築堤で山に向かっていますね

    下呂は古い昭和の温泉街ですね
    友達が女性二人で小川屋に泊まり
    オオオオメジャー旅館やとなんとなく嬉しかったです
    写真の河原の構造物
    温泉井戸らしいですね
    2019年04月15日 19:33
  • 鉄子おばさん

    お疲れ様です。美しい風景写真UPしてくださりありがとうございます。バス旅行ですけど会社時代は社員旅行の目的地に高山があがった事があったのですが実現しませんでした。いつになるかわかりませんがこうなったら自分で行くぞーと思います。私は強度の不眠症で薬が必要不可欠ですが気動車に乗ってエンジン音を聞いていたら何故か寝られるのです。電車では寝られません。以前寝る前に飲む薬を間違って朝飲んでしまいそのまま岡山に出てやくも号へ飛び乗って皆生温泉行きましたけど車内では一分たりとも寝ませんでした。
    2019年04月16日 05:48
  • しなの7号

    やくも3号様 こんにちは。
    昨年はこの車内放送で紹介されている場所にクルマで立ち寄りました。列車からのチラ見はそれなりによいのですが、クルマで出かけ、その場所から列車を眺めるのもまたいいものです。
    4年前に下り「やくも」の車内放送録音をアップしたときの記事で書いたように、そのときの上り「やくも」で、関西弁のオバチャンたちのグループの声がうるさかったのを思い出します。某近隣国からのお客さんは最近どこに行っても多いですね。
    高山本線と中央西線・篠ノ井線(または国道41号・19号線)は自分的には車窓を楽しむ最高の場所です。寝られる条件が整った列車でも、夜間以外は寝ることはなく、できることなら前後左右360度の展望を楽しむ術があればと思うほどですが、ほとんどの人はそういうことに興味がないようです。
    2019年04月17日 11:54
  • しなの7号

    ヒデヨシ様 こんにちは。
    一直線にトンネルと鉄橋で突っ切ることができないで険しい地形に逆らわずに敷設された戦前に開通した鉄道では、車窓の楽しみが倍増しますね。蒸機のころは苦労があったのだろうとか、その歴史にまで思いを馳せてしまいます。
    下呂温泉はトレインビュー温泉旅館がありますが、今は走る列車がアレなので、魅力半減。それでも下呂温泉は結構人気で、川原には丸見えの混浴露天風呂(水着着用)なんかもありますね。休日の日帰り入浴でよければ名古屋から青空フリーパスが使えるのも魅力。(私を含め大多数はクルマでしょうけれど(*´ω`))
    2019年04月17日 11:57
  • しなの7号

    鉄子おばさん様 こんにちは。
    下呂温泉と高山は定番の観光コースですので、ぜひどうぞ。最近は犬山にも老若含め女性観光客が多いです。お城から名鉄とJR高山線も望めます。気動車は睡眠薬?
    自分で心当たりがあるとすれば、気動車が走るようなローカル鉄道はロングレール区間が少なくて、規則正しいジョイント音が眠りを誘うということはありそうです。
    2019年04月17日 11:58

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